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日本芸術院について

院長挨拶

日本芸術院は,文部省美術展覧会の美術審査委員会を母体として,大正8年に帝国美術院として設立されました。帝国美術院設立当初の美術分野に加え,昭和12年には文芸,音楽,演劇,舞踊の分野が拡充され,帝国
藝術院へと改組,さらに昭和22年に現在の日本芸術院へと名称が変更されました。現在では,美術,文芸,
音楽・演劇・舞踊の各分野から100名余りの会員が所属しています。

昭和16年からは,卓越した芸術作品を制作した者や芸術の進歩に貢献した者に対して,日本芸術院賞を授与しています。賞の設立以降,戦中戦後を除いては毎年授与し,令和4年度には第79回を数えた歴史ある賞です。天皇皇后両陛下の御臨席を仰いで厳かに執り行われる授賞式は,多くの芸術家の目標であり励みとなっていることと思います。

上野公園内にある日本芸術院会館では,多くの方々に芸術に触れていただく機会を設けるために,所蔵している340点余りの美術作品の中から何点かを選び,年に数回の一般公開を行っています。日本芸術院賞受賞作品や日本芸術院会員の作品など,貴重な美術作品を間近でご覧いただけます。また,毎年秋には「上野の山文化ゾーンフェスティバル」の一つとして,会員の講演会を開催し,芸術家としての長年の経験を実演,映像などを交えてお届けしています。展示や講演だけでなく,平安朝様式の会館内部もお楽しみいただけることと思います。
 会館での活動以外にも,「子供 夢・アート・アカデミー」事業では,会員が小中高校へ訪問して講話や実技披露などを行い,若い世代への芸術の継承にも力を注いでいます。

会員は自らの仕事で芸術界を牽引するだけでなく,社会へ向けて芸術活動がより活発に展開していく条件を整えることが使命です。今後も,様々な活動を通して,我が国の芸術がますます発達するよう努力を進めていきます。
 このホームページを通じて,日本芸術院の諸活動が広くご理解いただければ幸いです。

令和5年10月1日

日本芸術院長 野村萬

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